お久しぶりです。
我が家に同居人が増えドタバタしております。
11月、彼が一目ぼれした桶中桃子(おけなかももこ)
フレンチブルドッグ2014年5月生まれ(現在7ヶ月)
機材を買いにホームセンターに行き毎回恒例のペットコーナーを巡回
毎回の会話はこう↓
私:「ちょっとペットショップ行こう行こう」
彼:「・・・はぁーー・・・」
私:「こいつ(3ヵ月の子犬)可愛いねー」
彼:「・・・ムリ・・・ぶさいく」
私:「鳥ちょっとだけ見る」
彼:「・・・はぁーー・・・」
私:「ヒナがいるー」
彼:「・・・くさい」
私:「魚もみよー」
彼:「まだメダカのエサあるでしょう・・・」
・・・これが10年間の恒例の会話
彼が動物アレルギー持ちなので私も一生動物は飼えないものと100%諦めつつの恒例コース
それが何故か突然桃子を見た彼が
「・・・飼えば?」と問題発言!
うろたえたのは私
私:「え?やばいでしょ!なんで?なんで?なんで?なんで?!!!」
彼:「え・・・なんかこいつ可愛い」
要するに何故か一目惚れ
そのまま会計をしていいと言う彼とは反比例して逆に私が超不安になって
ドッグランで遊び、少なくとも一日はちゃんと考えたいと申し出て「マッタ」をかけ色々話し合って我が家に迎え入れる事に。
私が島根に行っている間
彼は桃子と寝たり
夜の散歩をしたり、トイレトレーニングでてんやわんやになりながら
桃子の大体の性格が分かって来たのですが、理解出来ない事が数点
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1:「桃子」という名前を覚えない
2:車が後ろから来ても通り過ぎるまで気がつかない
3:私達が家に帰ってきて物音がしても全く起きない
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いまいち犬らしくない行動が目に付き始め、
友人が居る時に冗談半分でご飯を食べている桃子の背後で空のペットボトル2本を打ち鳴らしてみたら
・・・振り向きもしない。
その瞬間に「ああ、やっぱりか」と愕然としながらも色々な事が納得
ペットショップで他の子犬が吠えていても桃子だけ寝ていたのも耳が聞こえなかったから。
「桃子」と呼んでも振り向かないのは耳が聞こえてなかったから。
「だめ!」と怒鳴っても同じテンションで遊び続けお尻を叩かれるまで察する事が出来なかったのは耳が聞こえなかったから。
車に気がつかないのは耳が聞こえなかったから。
突然吠えだすのは「物音」ではなく「振動」に反応していたから。
散歩で隠れん坊をして声で呼んでも私達を見つけられなかったのは耳が聞こえなかったから。
分からずにこの2週間可哀想な事をした。
わざと後ろからびっくりさせたし、
叩くのは駄目だと知って居ながらも怒っても通じなかったから叩いたし
大きな声で何度も睨みつけたし
桃子からしてみたら訳が分からず混乱した2週間だったのだなぁととても後悔しました。
「耳が聞こえない」という事実を私が受け入れるには2日間程かかり
わずかな望みで犬笛を買ってみたり
「聴覚障害を引き起こすけれど治療すれば治る」耳の病気を探してみたり
聴覚検査の出来る大学病院を探してみたりと夜な夜なネット漁り。
「桃子」と声で呼ぶたびに「嗚呼聞こえてないんだ、桃子は自分が桃子だって事をずっと知らないままなんだ」
「こんなに呼んでいるのに私の声はずっと聞こえないんだ…振り向く事もないんだ…」と一人途方に暮れてつい泣いてしまったりしました。
一方犬を一度も飼った時がなくほぼ接した事もない彼は「桃子は桃子だもんねー」と抱き上げて笑うだけ。
「他の犬を知らないからなー、こんなもんじゃないの?」とケロッとし「甘やかさないからな~~」と桃子に言い動じない。
夫婦それぞれ反応は違いましたが、私達夫婦が共通で思った事は
「ペットショップが気がつく前に桃子を我が家に引き取れて良かった」という事。
同時進行でペットショップとも話し合いをし「代犬か10%の返金」という最初の対処に苦笑い。
クレームでダダこねたって桃子の耳が聞こえるようになる訳でもないし
代犬なんてお金積まれたって出来るはずもない
「動物は無理」と言っていた彼が「桃子」に一目惚れしたのはこういう事だったのかとさえ思える。
(最終的には「6ヶ月になるまで気がつかなかったのはこちらの過失」と言って半額返金)
私も3日後には頭を切り替え、夫婦で桃子のしつけ方法を見直し、
耳の聞こえない犬との接し方を頭にインストール→手話(コマンド)開発
手が私達の意思を伝えてる事を桃子が理解するのは早く
最初の2週間よりも一生懸命に手や顔や目を見るようになり
同時に留守番中のイタズラも激しくなり攻防戦の毎日
「グー」で叱られて無視されると覚えたての「フセ」をしていい子ぶるの繰り返し(笑)
飼い主は「桃子の性格」なのか「成長過程の落ち着きのなさ」なのか毎日頭を抱えて奮闘中
毎日叱られて遊んで食べて寝て・・・運動能力もぐんぐん上がって
音が聞こえない以外は多分普通のイタズラ盛りの子犬
そんな時間を過ごしているうちに
一番変化を求められているのは飼い主である私達なんだと最近思うようになりました。
私達はつい声の大小やトーンで物事を伝えようとしてしまうけれど
それが桃子には通じない
無言で「これは触っちゃ駄目・でもあれは遊んでいい」と説明しなくちゃいけない
伝える為には沢山の動作と身体全体で念じないといけない
ちゃんと怒った顔や嬉しい顔をしなくちゃいけないし
桃子が不安がっている時は、私達も一度深呼吸をして「撫でる手」から「安心していい」という「思い」を直接伝えなきゃいけない
そんな事をしていると凄く怒って居る時にも声はとても小さくなる
むしろ声はいらなくなってくる
目でアイコンタクトをし、顔をしかめ横に振り「駄目」とグーをして、微笑みながら縦に振り「いい子」と撫でる
それでもちゃんと伝わって桃子は「どうすればいい?」と考え反応をしてくれる
それがとても新鮮で面白い時間になっています。
・・・という訳で、遊びに来てくれる友人や子供達にも
背後から触らない
声を出しても無駄だから怒った事を体で表現する
指示は手話
という「桃子ルール」を覚えて貰っています。
子供の方がゲーム感覚で呑み込みが早く
大人はついつい大きな声で桃子に向かって「だめ!」と言ってしまうのが笑えます。
そして翌日には子供が子供に向かって・親が子供に向かって「だめ!」のグーを出してしまうという現象(笑)
呼び戻しが出来ない
距離がある時の意思疎通が難しい
危険を音で察知出来ないので車や丸ノコ等の電動工具に平気で顔から近づく
など色々ありますが
それでも私達人間が忘れている大切な何かを桃子から教えてもらっているのかもなぁとも思えます。
そんな訳でもし我が家に遊びに来て頂ける際は
どうぞ宜しくお願いします!!
まぁ・・・「耳が聞こえない」ってのはもはや問題ではなく、
やんちゃ過ぎて悪戦苦闘ってのが正直なところです(笑)
それでも桃子と出会って良かったと夫婦で思います。
生活リズムが健康的になり、二人で暮らしていては見えなかったお互いの顔が見えて来た気がします。
「犬が駄目な原因は犬にあるのではなく飼い主に原因がある」を頭に叩き込んで
忍耐と根気で付き合ってゆきます(笑)
—おまけ—
桶中桃子のブサ顔
この顔でオヤジ並みのいびきをかいて爆睡中
—勝手な追記—-
今回ペットショップで買った事で学んだのは
今回の私達の様に安易に手に入れられるペットショップはとても危険だなぁと思いました。
本当にきちんとした犬を迎えたいなら、母親と過ごし健康面も含め愛情を貰った犬を良いブリーダーさんから買うべきだし
今となっては保護犬を迎える選択肢だって私達にはあったんだなと知りました。
そして何より「もし桃子が私達ではなく代犬・返品を希望する人に買われていたら桃子はどうなっていたのだろう」…と思うと
犬を商品として扱うペットショップの怖さを感じます。
あと犬に限らず白い生き物は障害があったり病気持ちの可能性が多いらしいとの事なので先々の事を考え色々確認をした方がいいです。
フレンチブルドッグは皮膚や股関節や眼球や耳の病気になりやすく「暑さ寒さに弱く病気と上手く付き合う犬種」なのでお金も時間も労力もかかります。
これから飼いたいと思う人の参考になれば幸いです。